スクール便り
vol.04 2002年度 2学期 後半号
たいいく「フラッグフットボール」より

2学期後半も、教室から飛び出して、もりだくさんの見学・鑑賞にでかけました。
目で見て、触って、質問して‥どんな発見があったでしょうか

この「スクール便り」では、テーマ学習の様子や、スクールでのひとコマなどを紹介します。

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●○テーマ学習「大きなたてもの」○●

テーマ「大きなたてもの」では、大昔から現在にいたるまで、人間はなぜ大きな建物をつくってきたのか、どのようにしてつくったのか、どんな工夫があるのかを、図鑑や模型だけでなく、建築家のお話を聞いたり、実際に高層建築を見学に行くなどして学びました。授業の後半では、自分でコンセプトを考えて建物の模型を作成し、みんなの前で発表しました。

(建築家にインタビューしよう!)
古代のピラミッドに始まって、エッフェル塔、現在世界一の高層ビルであるペトロナスタワーなどについて学習したあと、建築家の方にお話を伺いました。「建築家は、寒さや暑さ・風・雨などいろいろな条件に耐えるように建物をデザインする」という話に対し、T君は、「夏にアスファルトに顔くっつけると熱くて大変だよね〜」と妙に納得していました。建築家の方が設計に参加した、ユニークなデザインのフジテレビ本社ビルについては、「真ん中はどうして骨組みだけなのか?」「真ん中の目玉みたいなのは何か?」など、いろいろな質問が子どもたちから出ていました。

(高層ビルを見学しよう!)
いよいよ、本物の高層建築の見学です。森ビル(株)さんのご好意で、六本木に建築中の六本木ヒルズオフィスタワーを見学に行きました。まず、東京の1,000の1の建築模型を見せていただいたのですが、その精密さにみんなびっくり。模型のおかげで、「大きなビルをつくることで土地を有効に活用し、緑を増やしたり、道路を広くして渋滞をなくすことができる」という森ビルの方のお話もわかりやすかったようです。

 

さて、いよいよ高層ビルとご対面です。六本木ヒルズの隣のビルの屋上からから見学したのですが、間近に見るととても大きくて、皆、圧倒されていました。本当はビルそのものをスケッチする予定だったのですが、あまりに大きすぎて紙に収まらず、遠くに見えている東京タワーなどのスケッチをしていました・・・

(大きな建物の模型をつくろう!)
テーマの仕上げとして、「誰が使うか」「どんな風に使うか」「どんな特徴があるか」をあらかじめ決めて、デザインも考えてから、大きな建物の模型を作成しました。素材は何でも良かったのですが、スクールに大量にあるレゴで作成することになりました。

Sくんは、「お菓子やフルーツについての研究タワー」をデザインし、ほぼイメージどおりに模型を作成しました、外壁にフルーツの模様があるのが特徴的です。将来のSくんをはじめ、ノーベル賞を狙う世界の優秀な研究者のための研究施設だそうです。

 

Kくんは、当初のデザインとはだいぶかけ離れてしまったものの、頑丈そうなタワーを作りました。非常階段や屋上に常駐するヘリコプターなど、完璧な地震対策が自慢です。

「大きなたてもの」では、主として、人々の夢や工夫について学んできましたが、「大きな建物があると困ることはあるだろうか?」ということについてもディスカッションしました。「つくるのがたいへんだからむやみに建てるといけない」「こわれると周りに迷惑だから、頑丈につくらないといけない」といった意見がでていました。

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●○テーマ学習「ひかりとかげ」○●

テーマ「ひかりとかげ」では実験を中心に光のいろいろ性質に実際に触れ、体感してもらうことに主眼をおきました。ナビゲーターが実験器具を手作したので、そのせいか実験がうまくいくと一番興奮していたのが担当ナビゲーターだったような.......。

(光のすすみ方)
光がものを暖める力、色による暖まり方の違いを学びました。算数で習ったばかりのグラフを使って温度上昇の差を比べたりむしめがねやかがみで光を集めたりしました。

光の直進から始まり太陽光と電球の光のすすみ方の違い、鏡を使った反射、水の中でのすすみ方、プリズムによる屈折、虹作り 番外編で光ファイバー使って光で合図を送ったりと盛りだくさんの内容でした。
(カメラをつくろう)
みなさんもこどものころピンホール(針穴)かめらを作ったことが一度はあるのではないでしょうか。今回この発展形の虫眼鏡カメラを作りました。スクリーンに逆さに移ったナビゲーターをみてカメラをひっくり返したり自分がひっくり返ってみたりと大興奮でした。

(太陽エネルギーをつかまえろ)
人の暮らしと光(太陽)エネルギーの関係を学びました。現在私たちが使っているエネルギーのほとんどが太陽エネルギーが形を変えたものだということはみんなにとって驚きだったようです。「太陽が燃え尽きちゃったら何日ぐらい生きられるのかな」と本気で心配する子もいました。ソーラーカー(太陽電池で走るくるま)の製作もしました。

(光とアート)
上野の国立科学博物館で行われていた「光を楽しむ 特別企画展」をアートとの共同授業として見学しました。教室ではとてもまねできない大掛かりな光のマジックもあり、みな楽しんだ様子でした。

 

6回目では、発表会で発表する内容を決めてまとめます。それぞれ自分の選んだ項目についてまとめました。発表の形式もただ説明するだけではなくクイズ形式にしたり、二人共少し慣れてきたようです。本番ではアドリブも出てはきはきとうまい発表ができました。
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●○テーマ学習「こうつう」○●

普段通学に使っている乗り物からはじめていろいろな交通機関について学びました。陸、空、海、それぞれで活躍する乗り物の特徴を調べ、生活との関連や歴史についても勉強しました。実際に駅、空港を見学したり、バスの運転手さん、スチュワーデスさんにインタヴューも敢行しました。

(空港見学)
空港の見学では去年の9月以降一般の見学は出来なくなっている警備センターの施設も見せていただきました。(ご協力いただいた方々本当にありがとうございました。)

乗り物というとそのスピードや運転席など華やかな部分に目が行きがちですが、今回は駅員さんや空港施設で働く方の仕事を学ぶことを通じ、交通機関にとって大切な「安全」「正確」「便利」がどのように達成されているか考えました。バリヤフリーについても取り上げ将来の交通機関がどうなってほしいか考える時間も作りました。

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◆◇はいらいと◇◆
ここでは、毎日の出来事の中からいくつかのシーンを取り上げて紹介します。

(ホームルーム)
子どもたち自らが日々のスクールでの生活をふりかえり、悩みや問題点などをとりあげて話し合う時間がホームルームです。

この日の議題にあがったのは、以前ふれあいの時間に育てはじめたミニトマトについて。なかなか赤くならない2つの青いトマトをどうするのか、意見を出し合いました。もぎ取って家に持って帰るという意見と、もぎ取るのだけはどうしても嫌だという意見に分かれました。話し合いの結果、もう少し陽の当たる暖かいところに置いて様子を見てみようということになりました。結局そのトマトが赤くなることはありませんでしたが、こうした真剣な話し合いは子どもたちにとって貴重な経験になっていると感じています。

エクササイズ・ダンス(たいいく)
バンブーダンスでリズムをとる練習をしてきた子どもたちは、2学期後半にいよいよエクササイズダンスをすることになりました。Bzの「熱き鼓動の果て」に合わせて手足を大きく動かします。Tくんは家でも練習したい!と大張り切り。ビデオを見ながら何度も練習を繰り返し、参観日には元気いっぱいに練習の成果を披露しました。


未来都市(アート)
自分たちが大人になったころの街を想像して絵にする。テーマ学習「大きなたてもの」で見学に行った六本木ヒルズで見たり聞いたりしたことを思い起こしながら一生けんめい考えました。子どもたちは、どんなふうになっているか予想するという視点ではなく、どんなふうになっていると楽しいかという視点で未来都市を描きました。生活圏内に宇宙が入り込んできたようなユニークな都市ができあがりました。

 
「2024年に僕の像が建つ!」
「トマトハウスからロケットに乗って宇宙まで飛んでいける。」
 
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★☆次回予告☆★
次回の「スクール便り」は、3月下旬に、「地震」「力と重さ」「平和」「シャボン玉」の4テーマでお送りする予定です。