スクール便り
vol.02 2002年度 1学期 後半号
テーマ学習「地域探検」より

1学期が終わりました。夏休みです。
この3ヶ月でたくましくなった子供たち、色々なことに挑戦してほしいと思います。

この「スクール便り」では、テーマ学習の様子や、スクールでのひとコマなどを紹介します。

* * *
●○テーマ学習「ワールドカップ」○●

アジア初、21世紀最初のサッカーワールドカップという歴史的イベントが日韓共催というというこれもまた歴史的な意義の深い形でおこなわれました。スクールでも開催期間にあわせてテーマ学習で取り上げました。

(調べよう、ワールドカップ)
サッカーは体育でも取り入れていて、もともとみんな大好きでしたが、ワールドカップがどんな大会なのか、普段見ているサッカーの試合と何が違うのかなどの知識はほとんどありませんでした。今回は日韓共催ということでメディアでも大きく取り上げられていたので、資料集めには事欠きませんでした。むしろ、たくさんの情報の中から、必要な情報を選び出すのが大変でした。

(応援する国、どこにする?)
大会の歴史を調べるところから始まり、各地予選、出場国の紹介と進むにつれ、最初は日本チームにしか関心がなかった子も、「イタリアは守備がすごんだぜ」、「やっぱブラジルでしょ!」と解説者顔負けのサッカー博士になってきました。そこで全員、日本以外にもひとつずつ国を選んで応援することになりました。イタリア、ドイツ、ブラジルと、みんな手堅い!

(オリジナルグッズをつくろう)
英語、アートの授業とも協力して、「フェイスペイントをして英語で応援!」という企画も行いました。最後に、今まで調べたことをまとめて「おかあさんのためのワールドカップ2002ガイドブック」を作りました。ガイドブックは今回山ほど出ていましたが、オリジナリティーではどれにも負けていなかったと思います。

* * *
●○テーマ学習「地域探検」○●

テーマ学習「地域探検」では、親しみのある近所の町を自分の五感を働かせて観察し、近所の公共施設と人々の生活のかかわりに気付きながら、実際に自分達で地図をつくる活動を通して、地図の役割を知り、地図の読み方や、方位磁石の使い方を学びました。

(高いところから町を見下ろしてみよう)
スクールの近所にある武蔵野自動車学校さんの屋上から町を見下ろしてみました。
しだいに登る速度を落としながらも、無事に屋上へ到着すると、360度見渡せる町の眺めに「すごーい!」と興奮する子どもたち。ナビゲータが方位磁石を取り出し、方位を確認していると、「何それー」「どうやって使うの?」と関心を示します。方位磁石の使い方を教わると、持ってきたスケッチ用紙の上下左右に東西南北を書き込みました。

平面地図を描くことを得意とするKくんは、自分のいる屋上を小さな四角であらわし、真上から見下ろしたような平面地図に仕上げました。本宿小、スクールのある林、5本の鉄塔、高架鉄道など‥‥発見したものを片端から書き込み、個性的なスタイルをもった絵に仕上がりました。

(スクール周辺を探検して地図をつくろう)
授業の後半ではスクールからそれぞれが決めた目的地までの地図をつくりました。お昼休みによく遊びにいく公園を目的地に選んだTくん。まっすぐ行くのはつまらないということで、裏道に入って遠回りすることにしました。途中で駐車違反に警告する看板や、家の庭で栽培されている木苺など目に留まったポイントをメモしていきました。なかでも一番の発見は公園裏の裏道に、さらにもう一本の裏道があったということです。「こんなところにもう一本道がぁ〜!」いつも使っている公園だっただけに驚きも大きかったようです。

* * *
●○テーマ学習「植物」○●

テーマ「植物」では、自分で採ってきた植物の観察を中心に、植物が育つのには何が必要かを実験を通して考えたり、根、茎、葉などの部分の役割を学んだり、実際に植物を育てるなどの活動を通して、身近に存在する植物への理解を深めました。

(葉脈を浮かび上がらせる)
葉について取り上げた日、外に出て、何種類かの違う種類の葉を採ってきました。同じはっぱでも、細長かったり、ハート型だったりと、ひとつひとつ全く違います。どう違う?と問いかけると、「色」「形―。」「さわったときの感じとか」「感触!つるつるー」「これはやわらかいよ」と、なかなか細部を良く見ています。
観察した後は、葉脈のこすりだし。葉っぱの上に紙を置き、えんぴつでこすります。強くこすればこするほど、はっきりと模様が浮かび上がってくるので、普段から筆圧の強い子はかなり細かく浮かんで喜んでいました。それぞれの葉の違いも実感したようです。

(発表会の準備)
テーマ学習では、6週間で1テーマが終わるごとに発表会があります。Sくんは、「この野菜は、植物の中のどの部分でしょう?」というクイズを中心に発表することに決めました。キャベツは葉、大豆は種、カリフラワーは花・・・「1年生は、根、茎、葉の区別もつかないかもよ」と言うと、「じゃあ、最初にその説明をしよう」と絵を描いていました。どんどん自分で作業を進めていく頼もしい姿でした。

* * *
◆◇はいらいと◇◆

ここでは、毎日の出来事の中からいくつかのシーンを取り上げて紹介します。

「ずいずいずっころばし」(おんがく)
わらべうたは、歌いながら体も動かしてリズムをとることができ、しかも楽しい!はじめてやる子は、歌に合わせて指が動かず苦戦していました。でも、上達は驚くほど早く、気に入ったのか休み時間にも遊んでいました。

「ICC(NTTインターコミュニケーション・センター)見学」(ふれあい)

オペラシティーにあるICCはヴァーチャル・リアリティやインタラクティヴ技術など電子テクノロジーを使ったメディア・アート作品を紹介東京している美術館です。
 

子どもたちのお気に入りはオレンジの香りのするわたわたの洞窟。「クマの冬眠みたーい」と、穴の中で気持ちよさそうにモゴモゴくつろぐ姿はまさにコグマでした。

「夏の誘惑ブラックプール」(アート)
ビデオテープを暗室に敷き詰め、肌に触れるその感触を楽しむ授業。1本分でもかなりの量があるビデオテープを引っ張り出すこと20本!全部出したらどんなことになるのだろうと想像を膨らませながら作業をする子どもたち。実際に体験してみると、わさわさとした感触のほかにも、葉を揺らしたような音や、テープの反射する光など、いろいろな種類の{体感}を得ることができました。

* * *

★☆次回予告☆★
次回は、2学期のはじめのテーマ「食べ物」「空気と水」が終わる10月下旬を予定しています。