スクール便り
vol.05 2002年度 3学期 号
テーマ学習「しゃぼんだま」より

年が明けて2003年。
寒い日がつづく3学期も子どもたちのパワーは衰え知らず‥
元気いっぱい駆け回り、たくさんのことを吸収していました。

この「スクール便り」では、テーマ学習の様子や、
スクールでのひとコマなどを紹介します。

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●○テーマ学習「地震」○●

地震大国日本にすむ私たち。いつどこで地震が起きるかわかりません。地震や災害にそなえて何を知っていればいいのでしょう。テーマ「地震」では、地震の起こるわけ、地震が起きたらどうすればいいかなどを、実験や防災館での体験をとおして学びました。また、自分たちでテーマを決めた調べもの学習をしました。

(地震はどうやっておきるの?)
地震はどんなもの??実際には見ることが難しいものを、映像や絵本、たとえをとおして学びました。まず地震の内部の様子、地震が起きる様子をビデオで見て勉強しました。地球の中身はどうなっているのかについては半熟卵の中身を例にして確認しました。黄身がどろどろのままのところが地球でいうところの核です。その後、プレートのぶつかりあいによって地震が発生することを学びました。

  

(体験「地震・煙」)
阪神大震災の写真を見たり、実際に被害にあったナビゲーターの話を聞いて地震のおそろしさについて教室で学習したあと、地震や火事がおきたらどうしたらよいか、立川の防災館に行って体験学習をしました。もしも地震が起きたらという映画を見ました。地震の映像に合わせ、座っている椅子が揺れて、一部で「こわい〜!」という声があがりました。地震体験コーナーでは震度5の揺れの中、1人がガスコンロの火を消し1人が避難路を確保して、全員で頭を隠しテーブルの下へ!煙体験室では煙のただよう部屋の中を手探りで歩くなどして訓練をしました。119番通報練習ではあわてずに住所を言うことができました。避難訓練はみんな満点でした。
 

(消防について調べて発表しよう。)
地震などの災害が起こった時に人を守る消防について、グループで小テーマを決めて調べ学習をしました。1年生グループは「消防隊員の仕事」、2,3年生グループは「江戸時代の消防」です。四谷にある消防博物館に行って写真やメモをとりながら情報を集めました。
情報を集めた後は、調べたことを発表するための準備をしました。1年生グループは消防の仕事にはどんなものがあるか…人を助ける、訓練をする…手分けして作業を進めながら模造紙にまとめていきます。
2、3年生グループでは江戸時代の消火方法や使用した道具について、説明をつけています。写真はうまく撮れたけれど、博物館の説明書きをまとめるのはなかなか大変です。

出来上がった壁新聞を使ってお父さんやお母さんの前で発表しました。それぞれのグループが分かりやすいどうどうとした発表をすることができました。

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●○テーマ学習「力と重さ」○●

近代科学の基礎となったニュートン力学の入門の実験を中心に学びます。普段何気なく目にしている現象が、ある一定の法則に当てはめてみることにより、つながりや広がりがでてくることを学びます。また学んだことを次の実験の予想に使うという過程を繰り返し、自然科学を学ぶ姿勢も身につけていきます。

(重さをはかる)
LISらしく(?)レゴブロックで天秤計りをつくってみました。天秤を使って重さを量る方法をみんなで考え、さらに、重いものを水の中に沈めたらどうなるか実験しました。「お風呂に入ると、体がプーっとなって浮くよ」と日ごろの体験を語ったTくんの予想通り、バネ計りでものを計ると確かに水の中の方が軽くなっていました。それが浮力によるものだということが分かった子どもたちも、次に天秤計りをそのまま水に入れてしまうという実験をして、また頭を抱えるのでした‥。

(重力ってなに?)
高いところからボールを落としたら、どの大きさ(重さ)のボールが先に地面に落ちるのか‥、ものの落下速度を比べ、重力の働きを学びました。これまで数ヶ月、ともに学び成長しただけのことあって「いち、にの、さん!」と、ぴったり息をそろえてボールを手放していました。滑り台で転がしてみたときには、大きなボールと小さなボールが同時に着地するのがしっかりと確認できました。また六都科学館の見学では無重力を体験できるムーンウォークにチャレンジ。Mちゃんは「ふわ〜と上がっておもしろい!」と無重力体験の感想を言っていました。

(小さな力で大きなものを!)
ペンチやはさみ、ホッチキスなど身のまわりのてこを利用した道具を探し、その構造について考えました。支点、力点、作用点の位置をうまく決めることができれば、てこを使って川口さん(ナビゲーター)を持ち上げることができるのではないか、ということでさっそく物置から棒と支えに使えそうなものを探して実験です。結果、みごとに川口さんを持ち上げることに成功。なんと片手でも持ち上げることができました。

(こまはなぜ倒れない?)
コマがたおれない理由を「回っているとバランスができるから」と、なかなかセンスのあることを言っていたOくんは、水を入れたバケツを回す遠心力の実験に挑戦し、回転するバランスが崩れるとたちまち水がこぼれてくるということをみごとに体感できました。

 

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●○テーマ学習「平和」○●

テーマ「平和」では、平和を壊す戦争によって人々の生活はどう変わるかを学ぶことで、平和の大切さについて皆で考えました。

言葉・文化・考え方などが相手と違っていることがきっかけとなり、戦争が起きることがあります。言葉が通じなくても、身振りや表情で相手にものを頼むことができるか試してみようという、ジェスチャーゲームをしました。写真は「飲み物をこぼしてしまったのでふきんを貸してください」というジェスチャーをしているところです。

(昭和館に見学に行きました)
九段下の昭和館に見学に行き、日本の第二次大戦争中、戦後の様子について学びました。子ども達の生活を中心に展示されていたので、戦争孤児、戦中の食べ物など心に残るものがあったようです。

(どこで戦争があったんだろう。)
世界には戦争で今も傷ついている国があります。第二次世界大戦後、戦争があった国にパズルをおいていきました。白かった地図に次々と色がついていきます。「こんな国でも戦争があったのか。」子ども達の表情も少し複雑です。

低・中学年には難しいテーマでしたが、戦争の悲惨さ・平和の大切さが多少なりとも印象に残り、今後の学習の際に思い出してもらえればと思います。

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●○テーマ学習「しゃぼんだま」○●

大きなシャボン玉をつくって、その中に入りたい!という目的に向かって、強力なシャボン液をつくる学習の旅がはじまりました。単にシャボン玉を作るだけでなく、表面張力の性質を調べたり、いろいろな材料で作ったシャボン玉の性質を比べたりしました。

(シャボン玉はどうやってつくるの?)
手を洗うとき、頭を洗うとき、お皿を洗うとき、鼻をかむとき‥、などなど生活のなかで体験したシャボン玉がつくれそうなものを思い出し、それぞれ実験してみました。ひとによってはシャボン玉にならない材料を選んでしまい、落ち込む場面もありましたが、それも勉強です。

  

(石鹸や洗剤の特徴)
糸輪の中のシャボンのまくを割る実験や、コップに張った水の上にそーっと1円玉をのせて浮かべる実験などを通して、石鹸や洗剤のもつ「引っ張る力」を発見し、その力で前に進むことができるボートをつくりました。

(できた!人の入れるシャボン玉!)
最終日はついに巨大シャボン玉に挑戦しました。 材料の配合をしらべ混ぜ合わせる作業では、心配するナビゲーターを尻目に「僕たちで出来るから手をださないで!」。知らず知らずのうちに成長してるんですね。

実験は大成功みな巨大シャボン玉の中に入りました。ほんとはひとり「中で息が出来ないかも」と怖がって最後まで入らなかったひといたよね。M君。

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◆◇はいらいと◇◆
ここでは、毎日の出来事の中からいくつかのシーンを取り上げて紹介します。

「むさしの公園探検隊」(体育)
武蔵野市にある公園にでかけ、子どもの視点から広さや楽しさ、清潔感などを評価しようという目的のもとに、5週にわたって12箇所の公園をまわりました。途中いろいろな発見やハプニングがありとても有意義な時間になりました。

「西荻窪の町をレゴで再現」(英語)
実際に歩いて町の建物や目印になるものを確かめ、一週間かけてじっくりと完成させました。一つ一つの建物に英語の看板をつけて、友達に紹介していました。レゴでつくってしまうと、西荻窪もまるでデンマークのような町並みになるんですね。


「アイロンビーズ特集」(アート)
平面から立体まで、アイロンビーズの奥深さにふれました。自由制作では各々オリジナルのキャラクターをつくりました。どれもこれも本当にかわいいですね!

 
  

 

 

練習でつくったカエルくん。こちらは花チップ。
 

 

 
 
みずごろう、総武線(正面)、その中に入っているのはプカチュー(?)、もみじ。
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★☆次回予告☆★
4月からスタートするテーマは2つ、「デンマーク」「電気と磁石」です。
来年度もたくさんの体験と発見のあるテーマが子どもたちを待っていることでしょう。楽しみです。